未経験ITエンジニア転職について思うこと
ここ5年くらいだろうか、未経験でITエンジニアを目指す人が増えた気がする。
しかも、それは学生というわけではなく、社会人が他職種からITエンジニア職を目指すというものである。年齢層については20代はもちろん、中には30代後半という人もいる。
私が2000年代前半の頃に新卒でSIerに入社した時、世の中でおそらく「ITエンジニア」という言葉を聞くことはほぼなく、またプログラミングなどは下請け業者がやることだというような風潮がとても強かった。
そのような時代から考えるとITエンジニアの評価が上がってきたことは少し嬉しかったりはする。 また、ITエンジニアという仕事をやってきた身としては、ITエンジニアの仕事に興味を持ってもらえるのはとても嬉しいことである。
その一方で、ITエンジニアになるのは楽で、またすぐにお金をたくさん稼げる!みたいなノリになってしまっているところもあり、ちょっと気になるところではある。
プログラミングスクールブームについて
少し前(5年前くらい?)にプログラミングスクールが流行った時期がある(今もなのかな…) プログラミングスクールという仕組み自体は、個人的には良い仕組みだとは思っている。
プログラミングを独学で学んだことがある人にはわかるかもしれないが、プログラミングを独学で学ぶにはとてつもない労力が必要で、かつ身の回りに聞ける人がいない場合、延々と同じことを調べ続けたり躓いたりするわけである。
このような疑問が解決できるという点では、とても良い。 しかし、ITエンジニアを目指す人がプログラミングスクールに入ることについて、気をつけなければならないこともある。
未経験でITエンジニア職につくのはハードルが高い
実際にプログラミングスクールを出てITエンジニアの仕事につける人は、ほんの一握りである。
例えば、以前から存在している資格試験、例えば司法試験や公認会計士などの難関資格試験についても、私としては似たようなものだと考えている。
どのように似ているかといえば、例えばLECやTACクレアールなどの資格スクールに通って実際にその講座を全て受け終わる人は全体の半分程度しかおらず、またその中で実際に試験に合格する人はほんの1、2割程度だったりする。
そしてさらに、資格を取った後にその資格を使った形で実務につける人はさらにその一握りと考えると、実際に「弁護士になりたい!!」「会計士になりたい!!」と言って勉強を始めても実際にそこに辿り着けるのはほんの一握りである。
この点、難関資格試験とプログラミングスクールも似たようなものであると考えている。
甘い言葉には要注意
この辺りを分かった上で挑戦しているのであれば、まあ悪いことではないのだが、昨今ではYouTubeなどでインフルエンサーが「プログラミングを勉強すれば簡単に年収1000万円稼げる!」みたいな、そういう風潮が出てきてしまっている印象である。
まあそんなうまくいく訳ないだろ、と一般的な常識がある人ならすぐにわかることであるが、あたかもネットワークビジネスやワンルーム投資などに引っかかるような情弱と同様、ころっと騙される人が後を経たないようである。
まあ、プログラミング自体は学んだ結果、転職につながらなくても学んだこと自体は自身の知識や経験として残るものなので詐欺とまでは言えないが、ある程度のお金と時間を使う挑戦なので、あまり軽く考えない方が良いとは思う。
未経験ITエンジニア向けの情報については、こちらで発信をしているので、現在他の職種からITエンジニアを目指している人はこの辺りを見ていただけると多少は参考になるかもしれない。
ともあれ、あくまで自分の人生に責任を負えるのは自分だけである。どんな意思決定をするにおいても、あくまで自分を主体的に思って考えられるようにしたいものである。
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